財産分与の対象となるものならないもの
財産分与とは、婚姻中に夫婦が築き上げた財産を離婚の際に分配することです。
財産分与には大きく分けて3種類あり、精算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。
夫婦が婚姻中に形成した財産の分与を意味するのが精算的財産分与です。
次に、専業主婦や病気を有している人など、働くことが難しく、離婚によって生活的に困窮してしまう配偶者に対して、扶養のために支払う方法が扶養的財産分与です。
最後に、どちらか一方に離婚に際して原因がある場合に慰謝の意味で支払われるのが慰謝料的財産分与です。
ここでは、財産分与の対象となるのはどんなものかについてご紹介します。
財産分与の対象になるもの
財産分与の対象となるものは、すなわち共有財産のことをいいます。
夫婦の一方の名義になっている自動車や預貯金、有価証券等は、婚姻中に取得したものであれば、共有財産として財産分与の対象となります。
もっとも、共有財産であるか否かは、「別居時」までを基準に考えます。
そのため、別居後から離婚までの間に取得した財産については共有財産にはなりません。
ただし、単身赴任などの事情で別居を行っている際には、離婚のための別居と同視できる事情が発生したときが基準となります。
例えば、単身赴任中の夫に対し、妻が離婚してほしい旨を申し出た日が基準となります。
また、借金などのマイナスの財産についても、分与の対象となります。
しかし、財産分与の対象になるか否かは、借金の理由に鑑みて判断します。
夫婦が生活するためにした借金であれば、双方が負担すべきものとして財産分与の対象になります。
しかし、もっぱら個人のためにした借金であれば、財産分与の対象にはなりません。
財産分与の対象にならないもの
財産分与の対象とはならないものは特有財産です。
特有財産とは、「婚姻前から一方が有していた財産」と「婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産」のことをいいます(民法第762条1項)。
「婚姻前から一方が有していた財産」とは、独身時代に貯めていた預貯金などです。
また、「婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産」とは、婚姻中に相続などによって取得した財産などをいいます。
離婚に関する問題は竹中法律事務所におまかせください
離婚は双方の感情的な部分が大きく、手続きを進めるのにも一苦労である場合が多いです。
特に財産分与は、金銭的な請求であり、トラブルも生じやすいです。
もっとも、もらえるはずの財産がもらえなくなってしまうのは不当です。
そのため、離婚手続きを行う場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
離婚に関してお困りの際は、竹中法律事務所までご連絡ください。お待ちしております。
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